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NH engawa Gallery「人形町書房展」 開催中“推し本”紹介 第4回(最終回)

みなさまこんにちは、2021年8月2日(月)から人形町NH engawa Galleryで
開催している「人形町書房展」も8月31日(火)までとなります。NHのメンバーが選んだ「私の○○な一冊」“推し本”紹介も最終回となりました。会期は終了しますがnoteでは引き続き読んでいただくことが出来ます。ギャラリーにお越しいただけなかった方もお時間のある時にゆっくりご覧ください。

■実践コーチ教本3 コーチのためのスポーツ人間学
/日本体育協会監修・勝部篤美・粂野豊編

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「私の マネジャーとしての振る舞いに影響した一冊 大門 孝行」
20代前半に大学院生の傍ら、前例がないラクロスの日本代表ヘッドコーチやラクロス協会の強化部の立上げ時に、がむしゃらに勉強していた際に出会った本の中の一冊です。当時はキャパシティも小さく、人、組織に対し、まだら模様の実践でしたが、その経験が40代で管理職の立場になった際に、心理的安全性をもたらしてくれました。人生何がいつ役立つかはホントに分からないです!

“推し本”をめくるとアンダーラインや書き込みのある本が散見されますが、大門さんの本にもいくつもの書き込みが。がむしゃらに勉強した痕跡ですね。この時の学びが今に活きているのではないでしょうか。

■数学する身体/森田真生

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「私の 頭の’’体操’’ の一冊 川井 美奈子
コロナ、オリンピックと、実生活もリアルとバーチャルがせめぎあう中、抽象化していく具体的な者(人)の営みって何?と素朴に知的好奇心に応えてくれます。すぐ自分には難しくなってきて内容をいえませんが。新刊『計算する生命』やライブ活動も覗いてみたいです。

数学と身体をどのように結び付けていくのでしょうか?図版にも引き込まれる、じっくり読んでみたい一冊です。

■キャロル・キング自伝 ナチュラル・ウーマン
/キャロル・キング

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「私の 変化の時代に強く生きるための一冊」 大野 耕一
 時代を描く仕事:変化を選んだ私たちにも参考になる一冊
■1950年代から現在まで活躍を続けるSongwriter:Carole King(1942-)。
本書は完成まで12年をかけた自伝。その半生はブロードウェイで“Beautiful: The Carole King Musical”として上演されている。(映画化の予定もあるとの話。)
■60年代には伝説の「アルドン・ミュージック」のSongwriterとして、70年代にはSinger-Songwriterとして、代表的存在になった彼女。
■子供の母として普通の生活を望み、STARになることは望んでいなかったこと。NY生まれの彼女がCAそしてアイダホに引っ越した経緯。その後のActivistとしての活動。等々、彼女が時代とともに行動的になっていく経緯に大いに興味をそそられます。
■彼女の筆致はその声と同様にやさしいのだが、中身はその活動同様に濃厚。

彼女もアーティストとしてキャリアチェンジを重ねたのですね。彼女の音楽を親しんでいる方は多いと思いますが、生い立ちを知って聴き直すと、また違った詩、メッセージに聞こえてくるかもしれません。

■ミーニングノーツ/山田智恵

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「私の 日常をかえた一冊」 鈴木 貴晴
その日その時の気づきや自分の感情を書き溜める。ありふれた日々の暮らしや人との何気ない会話にも何かがある。

実際に書き込めるページがある本、迷いがある人の“道しるべ”になりそうな本です。すぐにでも始めてみたくなりました。

■からあげビーチ/キリーロバ・ナージャ

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「私の 夏休みのお子様達と
 パパママ一緒に読んでもらいたい 一冊」 湯原 一美

からあげ親子がべんとうカーでビーチにドライブ、そこで世界中のからあげに出会い、ベジタリアン、ハラール、小麦アレルギーなど、考え方や文化、体質などで食べられないものがある人がいるということを楽しくわかりやすく教えてくる絵本です。今年の夏休みはコロナでビーチに遊びには行けないかもしれないけれど、ご自宅でからあげを食べながら、食の多様性について考えてもらえたらいいなと思います。

夏に相応しい鮮やかな色彩とユーモラスで楽しい絵本ですが、多様性という大切なメッセージが込められています。

■アップルソング/小手鞠るい

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「私の 人生観を変えた一冊」水野 和佳
終戦間際に瓦礫の中から助け出され、NYの同時多発テロまでの時代を生きた女性を中心に描かれる壮絶で壮大なストーリー。架空の物語なのに戦争やテロなど実際の出来事がベースになっているので胸がギュッとなる場面も多く、臨場感がすごくてとにかく引き込まれる。人生の節目に何度も読み返したくなる、そんな作品。
初めて読み終えた時はしばらく頭がボーッとして、身動きがとれない、そんな衝撃すら覚えました。フィクションだけどノンフィクションな感覚です。
普段は恋愛小説の名手である作家さんですが、この作品は強い想いと魂が込められた一冊です。小手鞠さんの心にスッと入ってくる言葉の紡ぎ方が大好きなんですよね。

艶やかなリンゴを手にしたお洒落な表紙の写真からイメージする印象とは違った、シリアスな物語の導入でした。最後まで読まなければ、です。

■あすなろ物語/井上靖

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「私の 背骨を作った一冊」 福森 和歌子
中学1年の頃、井上靖にはまり、中でもこの本に深く感銘を受けた。あの頃読んだ本は、今も私の背骨を作ってくれているような気がする。

福森さんのコメントのような一冊は、きっと誰にでもあるのでは。中学生の頃のようなピュアなアタマとココロで今、読んでみたい本ってたくさんありますよね。

■星の王子さま/サン=テグジュペリ

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「私の 心にある大事な一冊」 加藤木 淳
星の王子さまは、考える力を与えてくれました。星の王子さまは、行動する力を教えてくれました。この本に出逢った13歳の夏から、僕は旅を続けています。いろんな景色を楽しみながら。

コメントが詩のようにステキです。加藤木さん自身のキャッチコピーのようにも見えます。

■ダンスは冒険である
-コンテンポラリーダンスとは?-/石井達朗

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「私の コンテンポラリーな一冊」新倉昭彦
ダンスはその「非言語性」と「即時性」のおかげで「国境の壁を超える芸術」なので昔から興味があります。各国の伝統舞踊にも詳しい舞踊評論の第一人者のこの書籍は、様々な「身体表現」を考える1冊です。

今回、緊急事態宣言の影響で延期になってしまいましたが、推薦者の新倉さん、著者の石井さんと舞踏家さんのトーク&ダンスのイベントが予定されていました。実施の際には告知をさせていただきますので、ぜひご参加下さい。

■世界一うつくしい昆虫図鑑
/クリストファー・マーレー

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「私 の宝物の一冊」 山本勝盛
自然という力が、こんなにうつくしいデザインとして
出現した不思議を感じて、只々ため息が出るばかりです。

本のタイトルが決して大げさでないことは、ページを開くとわかります!自然の力にはかなわない~などとも思ったりします。この本に釘付けになっているお子さんも居ました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー~以上で、Newhorizoncollective(NH)メンバーの“推し本”の紹介は終了ですが、今回エンガワギャラリーのある人形町の商店街協同組合さんの監修をいただき、人形町に関わりのある本を紹介しています。

■人形町と文学

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■にほんばし人形町 /人形町商店街協同組合
組合さんが編纂された、町の歴史と文化が詳細に解説された本です。貴重な写真も多数、人形町を深く知ることが出来ます。

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■幼少時代/谷崎潤一郎
日本橋区蛎殻町(現在の人形町一丁目)に生誕地がある谷崎の幼少期の回想記。昭和32年刊行の本は鏑木清方が装丁挿画という贅沢さです。

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■明治深刻悲惨小説集「乳母」/北田薄氷(うすらい)
深刻・悲惨小説というジャンルがあったのですね。明治期、社会不安を背景に虐げられた者の悲哀を描いた薄氷の代表作。
■吉原御免状/隆 慶一郎
元葭原創設者、庄司甚右衛門を題材にした物語。青年剣士・松永誠一郎が師の宮本武蔵の遺言で江戸吉原に赴き裏柳生の忍びたちと暗闘する。
■新参者/東野 圭吾
日本橋署に着任したばかりの刑事加賀恭一郎が小伝馬町で絞殺された女性の事件を追って真相にたどり着いてゆくミステリー。人形町界隈も舞台に。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上で「人形町書房展」の“推し本”紹介は終了です。今回は緊急事態宣言下ということもあり、計画していた読書会やワークショップが延期や中止になってしまいましたが、実施できる準備が整いましたら告知させていただきます。またNHメンバーも230名居りますので、まだまだ“推し本”が出てくると思います。時期を見て再び「人形町書房」を開店できれば良いな~と考えています。これまでお付き合い下さったみなさま、エントリーいただいたNHメンバーのみなさま、ありがとうございました。
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第3回“推し本”紹介(未だの方はこちら↓)

第2回“推し本”紹介(未だの方はこちら↓)

第1回“推し本”紹介(未だの方はこちら↓)


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