サラリーマンを辞めて陶芸家になる!
その昔、美術大学に通っていた私は、粘土の課題が苦手だった。
特に、粘土でりんごやレモンやピーマンなどをそっくりにつくる、
というのが苦手だった。
平面のほうが、自分をより表現できると思っていた。
大学では、写真をつかって作品をつくっていた。
モノクロフィルムを自分で現像して、暗室に籠ってプリントする。
赤い光がかすかにともる中で、現像液につけた印画紙に
ぼんやりと像が浮き上がってくる。
その瞬間を見るのが好きだった。
そのうち、表面が均一な市販の印画紙に飽き足らなくなって