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【特集】NH230人が見たい世界

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NHの人々が何を今思い、何を未来に描くのか、外部の人間から迫ったインタビュー。聞き手:本間美和
運営しているクリエイター

#働き方

【鈴木教久の見たい世界】世界中の人が友達になれる未来を、ゲームでつくれたら。ここドバイから、本気で夢を紡いでいく。

【鈴木教久の見たい世界】世界中の人が友達になれる未来を、ゲームでつくれたら。ここドバイから、本気で夢を紡いでいく。

ーー「Not Too Late.」彼の眼差しから、この一言を受け取った。

1000万ダウンロード、累計プレイヤー8億人のスマホアプリゲーム「人狼ゲーム」を、すべて一人で作り上げたマルチクリエイター鈴木教久さん。今はドバイ在住。どれほどギラギラ・キラキラとした人かと思ったら、違った。

鈴木さんは諦めていなかった。自分が生きているうちに、人の力で戦争を止められたら。ゲームで、世界を1つにできるかも

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【広瀬由美子の見たい世界】
住む場所・働き方・生き方はもっと自由でいい。感性を大事にした自分だけの「解放区」を皆が持てたら。

【広瀬由美子の見たい世界】 住む場所・働き方・生き方はもっと自由でいい。感性を大事にした自分だけの「解放区」を皆が持てたら。

ーーニーチェは言った。「問うな、ただ踊れ」。
踊ることに意味などない。踊っている瞬間こそがどこまでも美しく、その瞬間に没入すること自体が人生で最も重要なことだと。
意義の分からないこの"神なき世界"で、いかに生きるべきかを舞踏になぞらえた言葉だ。

広瀬由美子さんは、典型的な昭和の家庭で育ち、女子校から四大合格を蹴って親との約束で短大へ。時代的に、女性が自分の頭で考え、自分の意志で道を切り開くこと

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【今泉睦の見たい世界】美しい海が守られる、守る人が増える未来へ。子供たちの探究心と変化を見る目を育てたい。

【今泉睦の見たい世界】美しい海が守られる、守る人が増える未来へ。子供たちの探究心と変化を見る目を育てたい。

ーー「未来価値」という言葉を、今泉睦さんは何度も使った。

皆が価値を求め、生産し消費し、発展して出来上がった現代社会。しかし、価値に「未来」という言葉がつくと、伸ばそうとした手が「それは本当に、価値か?」と止まってしまう。

今日使えるクーポンでも、明日話せるゴシップでもなく。今泉さんはいま、より人間の根源的なものを求め、目を凝らす。

海洋プラスチック削減のプロジェクトや、子供たちのセンスオブ

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【江上徹の見たい世界】会計士20年、ついに「本当にやりたい仕事」を始める。ビジネスで使えるガチンコの英語学校づくり。

【江上徹の見たい世界】会計士20年、ついに「本当にやりたい仕事」を始める。ビジネスで使えるガチンコの英語学校づくり。

ーー静かに話す人だった。
電通でも異色の経歴とスキル。敏腕公認会計士で英語も堪能。ロジカルでクールな人。それが江上徹さんの第一印象だった。

彼の人生の第一目標には、自分の力で「飯が食えるようになる」ことが常にあった。会計士の勉強をし、経験と実績を積み、信頼され仕事の依頼が来るだけの力をつけた。

社会人になって約25年、「飯が食えるようになる」を叶えた今。いつからかどこかに置いてきぼりだった「本

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【金井毅の見たい世界】真摯な人がちゃんと儲け、本物がちゃんと残る未来へ。よろず相談請負人は今日も西へ東へ。

【金井毅の見たい世界】真摯な人がちゃんと儲け、本物がちゃんと残る未来へ。よろず相談請負人は今日も西へ東へ。

ーー金井さんってまるで……何だろう。ずっと考えていた。
分かった。宮澤賢治の「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」だ。

東に困った生産者あれば、行って売れる方法を教え、
西に逸品を作る匠あれば、行ってその良さを勝手に宣伝する。
金井さんは積み上げてきたスキルを生かしながら、さまざまな人に出会い、さまざまな美しさに出会い、良きものを残し広めるべく東奔西走する。

同年代の友人から「金井は楽しそうでいいな」

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【森田直樹の見たい世界】ものづくり少年はいつしか本気の夢を見る。
ドローンが世界中のラストワンマイルを担う、新しい空を。

【森田直樹の見たい世界】ものづくり少年はいつしか本気の夢を見る。 ドローンが世界中のラストワンマイルを担う、新しい空を。

ーー「世界の空を変えたいんですよ」。彼は照れもせずにまっすぐ言った。

子供の頃はこれといった夢はなかったと言っていた。なのに今目の前の58歳が語るこの言葉は、まるで少年の語る夢じゃないか。そう思った。

クリエイティブ畑35年から、NH(ニューホライズンコレクティブ)へ。20年以上趣味で続けてきたラジコン飛行機の仲間たちと、ドローンの会社を立ち上げた。ヤマト運輸が行う山間地域で高齢者へ薬を配達す

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【浅野佳麻里が見たい世界】「食べることは生きること」。食で人と人をつなげ、モノやコトをつなげ、笑顔をつくっていきたい。

【浅野佳麻里が見たい世界】「食べることは生きること」。食で人と人をつなげ、モノやコトをつなげ、笑顔をつくっていきたい。

生粋の関西人で、食べることがとにかく大好き。
友達・仲間との食事が至福の時である浅野さんにとって、コロナ禍は辛かった。それでも近所に一人で行ける気のおけない店もでき、店主と話す楽しさも新しく知った。

腰掛け3年のつもりが、好きなことを夢中でやってたら仕事人生になってしまった。そう言って茶目っ気たっぷりに笑う彼女を、少女のまま大人になった人みたいだと思った。無垢に、素直に、自分の感覚でまっすぐ迷わ

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【山本浩一の見たい世界】人と違うことを面白がり、内向きと外向きの力を伸ばせば、個性が花開く社会に。

【山本浩一の見たい世界】人と違うことを面白がり、内向きと外向きの力を伸ばせば、個性が花開く社会に。

ーー「人生ずっとラッキー続きで、いつでも最高」。
そう軽やかに笑う山本浩一さんの性格を一言で表すならば、スーパーポジティブ。
帰国子女で高学歴、電通に入り数々の面白い仕事をして……順風満帆ピカピカに見える彼の人生だが実は、常にマイノリティ側に置かれてきた人生だとも言えるだろう。
小学・中学時代はオランダとイギリスで異質な日本人として、日本に帰国してからはクラスに1人のガイジンとして。電通に入ってか

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【岩井寿人の見たい世界】 鹿児島で見つめ直す生き方のバランス。心の底からワクワクすることをブーストしながら新しい境地を見つけたい。

【岩井寿人の見たい世界】 鹿児島で見つめ直す生き方のバランス。心の底からワクワクすることをブーストしながら新しい境地を見つけたい。

ーー脳裏に浮かび上がってきたのは、白と黒が入り混じる陰陽の太極図。カンフー映画で出てくるあのマークだ。岩井寿人さんの中には、陰と陽の世界がある。陽が強すぎた歩み方に疑問を持ち、いま、陰を引き寄せバランスを取ろうとしている。

幼少期から成績優秀、頭脳明晰でありながら、彼の礎となっているのは身体性と精神性、熱いパッションのようなもの。電通での20年間、もっと鈍感になれたなら楽なのにと思うこともあった

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【笠間健太郎の見たい世界】 もっと日常にアートを。企業とアートと人々をつなぎ、日本に感性の豊かさを広げたい。

【笠間健太郎の見たい世界】 もっと日常にアートを。企業とアートと人々をつなぎ、日本に感性の豊かさを広げたい。

ーー「統括CDというポストにまで登りつめた人が、電通を辞めてアートを広めたいと言っている?」
どういうことなのか。もったいなくはないのか。もうビジネスの世界からは身を引き、優雅な趣味の世界に生きるというのか。

しかし笠間さんのお話を聞くうちに、私の考えはまったく浅かったと思い知った。
アートを広めたいという思いは、優雅な趣味の世界ではない。日本の新しい活路を拓くための、強く、切実で、差し迫ったも

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【相馬健太郎の見たい世界】 「これでいいのだ」。経験を全開放して、何でもOKでやってみたらどうなるか…面白くなるしかないでしょ。

【相馬健太郎の見たい世界】 「これでいいのだ」。経験を全開放して、何でもOKでやってみたらどうなるか…面白くなるしかないでしょ。

ーー植木等は歌った。「わかっちゃいるけどやめられない」。
バカボンのパパは言った。「これでいいのだ」。



最初に相馬さんに好きな言葉を尋ねると、この2つが挙げられた。そのユルさに拍子抜けして、一旦放置していたのだが、彼の話を聞いているうちに、2つの言葉がボディブローのように沁みてきた。

料理と山登りと沖縄が好き。酔うと三線片手にゆるゆる歌う、自称気のいいおじさん。相馬さんの語り口は冗談のよう

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【水野和佳の見たい世界】人の力を信じてる。だから繋ぎたい。大海へ解き放たれた今、私は感性のまま縦横無尽に泳ぐ。

【水野和佳の見たい世界】人の力を信じてる。だから繋ぎたい。大海へ解き放たれた今、私は感性のまま縦横無尽に泳ぐ。

ーー「たぶん、欲張りなんですよ」。彼女は言った。人生“たった”100年。やりたいことは全部やって、会いたい人には全員会いたいと。

水野さんと話すと、胸のあたりの温度が上がるのを感じた。それはきっと彼女がポンと飛び込んできてくれたせいだろう。
幼少期は大阪で、10歳から16歳まではアメリカで育った。知らない人にもアメちゃんをくれる大阪と、知らない人でも笑顔で挨拶し合うアメリカ、2つのスーパーフレン

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【熊谷優の見たい世界】54歳。僕はここから羽ばたいていく。新しい地平線の先に、農と共にある生き方を目指して。

【熊谷優の見たい世界】54歳。僕はここから羽ばたいていく。新しい地平線の先に、農と共にある生き方を目指して。

ーーいまは、もう秋。人生100年を四季に例えるなら、50歳から75歳までが秋にあたる。これまでの成果である豊かな実りを味わい楽しむ、一番美しい時期といえるかもしれない。この季節を謳歌できずに冬を迎えるなんて嫌だ。これが熊谷優さんがニューホライズンコレクティブ合同会社(以下NH)の社内募集に手を挙げた最大の理由だった。

54歳。貸し農園で野菜を作りながら体のあちこちが痛いと言う。しかしそんな熊谷さ

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【野澤友宏の見たい世界】せっかく生まれたんだから中年になってもキラキラしたい。目指すのは「教えあう社会・学びあう世界」

【野澤友宏の見たい世界】せっかく生まれたんだから中年になってもキラキラしたい。目指すのは「教えあう社会・学びあう世界」

ーー<<2031年、土曜午前9時@渋谷スクランブル交差点。「おはよー!」QFRONT方面へ渡る50人ほどの群れは、互いに手を振り、そこかしこに会話が飛び交う。「課題やった?」「今日発表でさあ」「来月は俺講師やるんだ」「帰りにご飯いかない?」

それは40代から60代の男女。経歴も専門も多種多様な彼らが、足早に向かう先は「学校」だ。数百人のミドル世代が各々のクラスに分かれ、これから授業が始まる。10

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